千里

ロストケアの千里のネタバレレビュー・内容・結末

ロストケア(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

トレイラーと世間の高評に惹かれて鑑賞。テーマが難しい作品だった。どんな理由であっても殺人はあってはならないことではあるけれども、介護の大変さによって疲弊している人々と、そんな人々を助けようとしない国と制度の在り方。これらを考えた時に斯波の行った殺人によって確かに救われた人もいるという事実。一概に悪とも言い切れないように思えてしまうところが難しい。

作中では公判中に、介護による日々の疲れに参っていた被害者家族がそれでも斯波を"人殺し"と断罪するシーンがある。どんなに大変な目に遭ってもやっぱり家族だから、というところが強調されていたかと思えば、反対に介護から解放されて複雑な気持ちではあるものの幸せを掴んでいる被害者もおり、やっぱり一言で片付けられないなと。

何よりも介護疲れで亡くなっている人が多いという事実が一番衝撃的だった。もう少し介護で大変な思いをしている人たちにも優しい国になるといいのにね。

あと、長澤まさみさんって本当凄い女優さんなんだなと再認識。
千里

千里