もちごろう

ロストケアのもちごろうのレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
3.4
介護問題を扱う社会派な作品でした。なんで犯罪を起こす人は、何か理由があれば自分が人の命を奪って良いと思うのか、自分がその判断(本作では救い)をできると思うのか、不思議でした。こういう犯罪者とか家族に虐げられて苦しんでいた経緯とか、一定の情状酌量の余地はもちろんあると思うし、苦労だったろうなと切なくなるし同情する。ただ、こういう社会がおかしいと思うから、底辺で行政にも見捨てられたからなどという理由で、誰かの命を奪って良いという社会は末恐ろしいとも思う。

安楽死を合法化するとか(医療者や家族の意向による死は懸念されるけど)、こういう悲劇を生み出さないために、社会の中での富の分配は必須だし、こういう思いになる人を生み出す前に手を差し伸べて、最小限にできる社会だと良いなと思うし、そういうことに税金ちゃんと使って欲しいなと思う。

一方、一個人としては、老後は人様にご迷惑をおかけしないように引き続き資産形成と、友達や同僚を大切に、自分を、自分の大切な人やものを守れるようにと思いました。安全地帯から転げ落ちないように備えたいと思うし、たいていの人はそうしてる気がする。そしてもし不運にも打ち砕かれたときは、自助、共助も無理なときは、公助のお世話になるかもしれません。そういうときに安心できる社会だと良いとは思う。
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