ハウアー

ロストケアのハウアーのレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
5.0
私はこれを見て、向き合わなければいけないと思った。決して他人事じゃないと思った。
確かに人を殺す行為は善じゃない。
でもこの作品限らずに、救うためにその行為が必要になってしまう瞬間がある。
その行為を正当化してはいけないし、
社会的に反してしまう。
だけど、それでいいのか?
そのままで、人は救われるのか?
国は本当に、これでいいのだろうか?

主人公の正義は国の敵かもしれない。
でもそれによって救われた者がいるのも事実。誰かがやらなきゃ、誰かが壊れていた。
この見えない悪夢を国は見て見ぬふり。
こんな社会で生きていけるほど人は器用でもないし、なんの支援もない。
私は主人公ほど犠牲になれる人間でもないし、検察の方ほど社会的ルールを守れる人間でもない。
ただ、この作品を傍観者として観ていた。
自分が情けなくて卑怯で、遣る瀬無かった。
生命は尊いよ。自分のものだよ。
でも、それより苦しいことがあるよ。
みんなどこかで分かりながら、暗黙にいる。
今のままじゃだめだ。
人は、社会は、変わらなきゃだ。
決して人殺しを正当化したいんじゃない。
救いの本質を見定めてほしい。どうか。
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