このレビューはネタバレを含みます
午前十時の映画祭で上映されていたので20年以上ぶりに観ました。当時、観た時はゆるいテンポと不倫という大人な内容がビターに感じてしまい、あまりお気に入りとはならなかったんですけど、とにかくトニー・レオンかっこいいなっていうのは覚えてました。
年を重ねて映画の中のトニー・レオンよりも年上になった現在、凄く良い映画だと思いました。
何より深い意味を端々に置いていき、映像で見せてない奥行きを表現しているのが見事!例えばセリフでは3しか語らないけど、そのシーンには10の意味を持たせている。リフレインするバイオリンの音楽と合わさり甘くて、危険で、背徳感があり、酔わす演出が素晴らしい。
盟友クリストファー・ドイルのカメラワークもキレイですね。
トニー・レオンのかっこよさは当然、分かっていましたが、相手役のマギー・チャンの美しさも良いですね。シーン毎に変わるチャイナドレスも映像にマッチして美しかった。
⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
内容についてですけど、チャウ(トニー・レオン)夫婦とスー(マギー・チャン)夫婦の2組が同じ日にマンションに引っ越してきた。
しばらくすると2組の妻と夫が不倫している事を主人公二人が気づいてしまう。
この辺はよくある話なんですけど、そこでチャンとスーも不倫関係になっていくと思うんですけど、彼らはプラトニックな関係を保つ事を選択します。やがて二人は新聞の連載小説を協力して執筆する。
パートナーにはなるんですけど、不倫されたもの同士が小説という作業で繋がっていきます。
二人の夫婦がどうなったか明確には語りませんが、二組とも離婚したんでしょう。
そんな折、チャンはシンガポールに行く事を決め、スーを誘う。プラトニックな関係だった二人が別れる時にスーは初めて感情を露わにしてチャンの胸で泣いてしまうんです。
時が経ち、シンガポール。
チャンは自室で何かを探している。すると灰皿に吸い殻を見つけて、吸い殻に口紅が付いていることに気づきます。スーがシンガポールに尋ねてきたが、チャンに会わずに去っていく。
また時が経ち、香港。
チャンとスーがそれぞれ以前、住んでいたマンションに行く。
スーはお世話になった大家さんに会い行き、また部屋を借りる。チャンは隣室の自分の住んでいた部屋を訪ねるとそこには知らない住人が。
知っている人間はいなくなってしまった事を知る。隣室には女性が男の子と暮らしている事を知りますが、そのまま去っていく。
この解釈って、みんなどうなんですか?僕はチャンとスーは身体の関係を持ち、スーの連れ子はチャンの子供だと思いました。それを知らないチャンですが、カンボジアで壁の穴に秘密を打ち明けてました。スーを愛したけど何も無ければカンボジアで何やってんだ⁈ってなりますが、内緒にする必要性が出てきたからカンボジアのシーンになったと思いました。
『2046』を観てみると違うかもしれませんが、『花様年華』だけで言えばこの解釈になると思いました。