Sasada

ソウルの春のSasadaのレビュー・感想・評価

ソウルの春(2023年製作の映画)
3.6
同時多発的に進行するクーデターなので、登場人物も多く頻繁に移り変わる画面ながらもきちんと整理されている印象。
電話のベルが鳴るたびに事態は動き、人は狼狽し、戦車は方向を変えるスリリングな映画だった。

あくまで実話を元にしたフィクションなのだろうけど、いざという時にこそ人は何に従って行動するのかが分かるよねぇと思う。偉い人の指示かもしれないし、自分の命が助かることかもしれないし、職務への忠誠かもしれない。個人的にはしょせん仕事だろと思いつつ、人命や治安を守る立場にいる人がそういう倫理観では成り立たないんだろうとも。

ファンジョンミンが演じるチョンドゥグァンがクソ憎たらしく意地汚くお見事で、正義を守りながら表情が歪むチョンウソンが悲しい。(正しいのに結果が付いてこない人っているよね、、)

毎年数本公開される「韓国近現代史モノ」はいつも面白くて、自国の暗い歴史を直視したエンタメに仕立てる手腕はもうメソッド的なものがあるんでしょうね。
Sasada

Sasada