Bobsan

ソウルの春のBobsanのレビュー・感想・評価

ソウルの春(2023年製作の映画)
5.0
これが僕が7歳くらいの頃の出来事だという事に驚きます。歴史ものと言えば今までは大抵生まれる前のものだと思っていたのに、僕も歳を取ったもんだと思いました。
観終わってすぐ、「1987 ある闘いの真実」が観たくなりました。しかしそれを観て韓国の軍事独裁政権が倒れるのを見届けたとて、本作を観終わって味わう悔しさが晴れるものでもありません。何故なら本作のヴィランであるチョン・ドゥグァン(実際はチョン・ドゥファン)は第11、12代と2期も大統領の座を務め、権力を謳歌しているからです。
本作をもしタランティーノが監督していたら結末はチョン・ドゥグァン側の人間達の皆殺しです。しかし本作は韓国映画なのでそうはいきませんでした。残念…。
ファン・ジョンミンがメチャクチャ良くできたハゲヅラで見事に演じきった、観ている人間のはらわたを煮えくり返らせてくれる憎き権力者はしかし死後、国葬はして貰えず、国立墓地への埋葬も見送られているそうです。そして更に本作が作られた事でその存在が世界から疎まれる事になるわけですから、やはり因果というものは応報なのだなぁとちょっとだけ溜飲が下がったような気がしました。
Bobsan

Bobsan