常盤しのぶ

劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)の常盤しのぶのレビュー・感想・評価

4.0
およそほぼいつも通りのシティーハンターである。冴羽獠がもっこりちゃんを追いかけ、香がハンマーを振り下ろし、敵が出てきて、獠がそれを倒し、静止画をバックにGet Wildが流れる、いつものパターン。何十年も繰り返される秘伝の味を堪能するために観ている。本作もそういった意味では大満足の出来だった。

ただひとつ違う点は、本作がシリーズ最終章の始まりである、ということ。そう、続編があるのだ。本作はそこに向けたお膳立てという意味では薄味に感じられうかもしれない。私は大好きだが。

本作は4年前の新宿プライベート・アイズよりもコラボ要素というかネタ要素が多い。獠のナンパはマッチングアプリだし、ゴジラ像も出てくるし、アイツやアイツ、そして何故かアイツも出てきて赤く光る!! ……今思うとなかなかにカオスだったな。

冒頭に海坊主(CV玄田哲章)が『モリモリマッチョの変態だ』と言われていて思わず笑ってしまった。他の観客もおよそ世代が一緒だから一緒に笑っていた。

本作はPEの後ということでカフェ・キャッツアイには小坊主が健気に働いていて私は嬉しかった。良かったな小坊主……。

今作のゲストヒロインは沢城みゆきが演じている。作中で非常に難しい役どころを見事に演じきった。個人的に嬉しい演技だったので、沢城みゆきのファンは是非とも観てほしい。

さて、本作では今までアニメに出てこなかった彼が登場する、そして本作では次回に向けて重要な動きも取ってくる。冴羽獠自身の過去にもつながる、まさに最終章にふさわしい次回作を今から期待してしまう。