Masato

ラック 幸運をさがす旅のMasatoのレビュー・感想・評価

ラック 幸運をさがす旅(2022年製作の映画)
3.1

Apple Original

セクハラ問題によりディズニーを退社したジョン・ラセターが率いる制作プロダクションSKYDANCEのアニメーションスタジオの初作品はAppleとのコラボ。

現実世界の「運」という要素を出発点としたファンタジーはディズニー感があって良き。序盤の不運続きの連続な主人公のドタバタは不運のピタゴラスイッチみたいで面白かったが、幸運の国に行ってからは予定調和な展開が多くて退屈だった。

また、不運も必要だみたいな話になるけど、結果論でしかなく、絶対に不運はないほうが良いよね?ってなってしまうコンセプトの根幹の緩さも欠陥かもしれない。主人公は極端に不運(というか不運しか訪れない)の設定なので、そのまま現実世界にいればいくら覚悟したとしても絶対に幸せにはなれないと思う。というよりも何故生きていられるのかって思うくらいに不運。なので主人公がそれを説いても説得力がない。まあでも、不運でも見方次第では幸せっていうのは分かるが。

成功と失敗という括りなら失敗もあったほうがいいと思うけど、因果関係に左右されない運にネガティブな要素はないほうが絶対にいい。必要か不要かではなく、存在するうえでどう考えるかというところをもっと深掘りしてほしい。故に不運の国をもっと描く必要があったと思う。

おそらく「インサイド・ヘッド」の悲しみの感情も時には必要なんだよっていう、「一見必要のないものでも必要であったりする」メッセージ性に触発されたんだろうけど、悉く失敗しているような…
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