ループモノが乱発される昨今において、やはりぶっちぎりの完成度を誇るヨーロッパ企画。基本的に映像じゃないと出来ない設定を映画でやる、っていう方向性はドロステと同じ。ドロステに比べるとかなり平坦で地味だけど、「本当に2分間ループするだけの映画」ってのがより舞台らしくて好き。
それにしてもその2分間のループだけで1本の映画を作り上げるってすごいよね。おそらくニワカ批評家からは「設定が斬新！」とか「撮影手法がすごい！」とか言われるんだろうけど、それよりもループの繰り返しの中にある「物語性の無さ」こそに物語性を持たせる脚本・演出が絶妙だと思うのよ。だって（ヨーロッパ企画らしいオチは置いといて）マジで何も起きないからね。それなのに展開や起伏を感じさせる「見せ方」は流石。そして勿論その裏にある映像作りの細かさにも脱帽。
演者や製作陣が、映画や舞台を本当に好きなんだなぁと感じさせてくれる作品。ヨーロッパ企画を通らずにタイムリープだとか世界線だとか言ってる皆さん、絶対に見なくちゃダメですよ。
