このレビューはネタバレを含みます
実話ベース。
割と最近の話で大筋はわかった気になっていたから、正直ここまで気持ちを持っていかれるとは思わなかった。
救助隊に参加した英国人の洞窟ダイバーたちは、自分たちが死ぬかもしれないリスクを冒して、なんでここまで献身的に動けるんだろう。洞窟内の再現がとても生々しく、閉所恐怖症の自分は結構見ているのが辛いところもあった。中継地点に行くまでに半日以上潜っているから、最後の方で比較的経験の浅い若いダイバーが方向感覚を失って、半ば呆然とするところがすごく真に迫っていて、私はここで泣いてしまった(泣くところ違う)。
全員生還のカギとなった奇策を思いついたのが、子供は好きじゃないと公言してた元消防士。一見おろおろしてるようで、実はチームをまとめて計画そのものを地に着けてたのがITコンサルタント。急遽呼ばれた麻酔医のダイバーは倫理的にも重圧を感じながら計画そのものを成功裏に導いた一方で、実父の死に目に会えなかった。気の毒すぎる。支援物資を届ける途中で一人タイ人ダイバーが命を落としてるし、それだけの危険なミッションを、何をモチベに見ず知らずの子供達のためにここまで頑張れるのか。
洞窟内の水量を抑えるために水道技師やボランティア、炊き出し、水田の提供などその他大勢の人達が志願してきて、13人を助けるために17か国から5000人以上が救出活動に参加、2人のタイ人が命を落とした。
ここまでして助けられる命って、他の命とどう違うのかと冷静になると思うけれども、閉じ込められて10日以上生きてたことだって凄いし、それが持って生まれた運ということなのか。