台湾のスプラッターホラー。各地のファンタ系映画祭でその残虐描写が評判になった。
これすごい!近年稀なくらいストレートなスプラッター!まさか台湾から現れるとは思わなかった。
謎のウイルスがまん延し、結婚を控える男女が別々の場所から互いに会いに行こうとする物語。
顔面破壊、指チョンパと冒頭からフルスロットルで続く残虐シーンはど迫力。
攻撃性と性欲が結びつくという設定も興味深い。確かに最初の方に感染しているのはおばあさん、セクハラおやじと性欲が満たされない人たち。
コロナという未曾有のウイルス騒ぎ、そして性被害を象徴的に描いた作品としてもレベルが高いと思う、
愛しあう男女が再び出会うまでというシンプルなストーリーラインも、残虐描写をメインにしたこの作品においてはプラスに働いている。
インタビューでクローネンバーグ、ジュリア・デュクルノー、サフディ兄弟の影響について語っている。そして中島哲也監督、特に『渇き。』が好きだと話していて、良くも悪くもそれは分かる。
過剰が続きすぎて逆に平坦になるという中島哲也病が確かにみられるから。まあこの尺ならまだいいかな。もっと長ければかなり間延びしたと思う。
また、変化をつけるためか、終盤言葉多めになる。謎の医師とゾンビ化した彼氏のシーンはかったるい。映像的に何の変化もないので退屈。
それも含めて締め方はもう少し考えてほしかった。あれはあれでいいけど予想の範囲内だよね。
まあすごいスプラッター。台湾からこんなのが出てくると思わなかったという意外性もあり、今年のベスト入るかも。倫理観は死んでる映画だけど最高にアガる。