143分。心して見たが、飽きることなく時間を感じさせないところは、とても出来のいい映画だと思う。
当時のロシアの風俗、街並みの再現というだけでも見る価値あり。
だが、この映画の言わんとするところが今ひとつわからない。映画にそもそも言わんとするところなどいらないという考えもあろうが、チャイコフスキーのセクシャリティに関する心の痛みも、さほど伝わらず、アントーニナの置かれた立場の苦しさも、うーん、共感しにくい。
もちろん二人とも自業自得な面があるからといって共感できないというわけではない。
むしろそういう人間的なところを深く掘って表現してくれたらなと思った。
なので、見終わった後、椅子から立ち上がれないほどの感動、というのはなかったし、登場人物の誰かに感情移入して胸が苦しくなる、なんてことはなかった。
とはいえ、今回は上映後に、亀山郁夫先生の解説が40分もあり、ものすごいお得感満載の上映でした。(追加料金なし!)
ドストエフスキーとチャイコフスキーの共通点や、後日譚、裏話、話し足りなかったところは、そのうちブログにあげてくださるそうなので、探して読んでみようと思う。