恋は盲目。
依存も、執着も盲目。
天才作曲家チャイコフスキーに恋い焦がれ、彼が同性愛者だと知りつつ結婚したアントニーナの地獄の結婚生活。
地獄なのはアントニーナだけではなく、チャイコフスキー的にもなかなかの地獄。
だけど、そういう話だというのは分かっているんだからもうちょっとコンパクトに纏める事は出来なかったかしらという印象は否めないかな。。
アントニーナのチャイコフスキーへの愛(執着?!)の熱量たるや、鬱陶しい事甚だしい。
だけどそれはチャイコフスキーと云うか男性の目線。
アントニーナの行動は愛情か執着かはは微妙な所。
明らかに粘着質だけどね。
だけど、チャイコフスキーも世間体とかアントニーナの財産とかを期待しても結婚なんだからどっちもどっちで、アントニーナに対して悪妻というレッテルを貼るのもいかがなものかと思ってみたり。
これは女性の目線。
だけど、女性目線で云っても、アントニーナには一途な良妻とは思えない狂気があったし、アントニーナの現実と妄想が混在する展開は、時々置いてきぼりになりそうになりつつも、面白かったな。
本作の舞台はロシア(ソビエト連邦?)、時代背景を鑑みても、女性から男性に婚姻に関するあれこれを言い出すことが容易ではない世の中だったってことは容易に想像できる。
そんな時代に、チャイコフスキーの妻に執着しまくるアントニーナの執念にはちょっとエールを送りたくもなっちゃったわ。
チャイコフスキーに憐憫の気持ちも持っちゃたけどね^^
やっぱりどっちもどっちで、どっちにも共感できなくもない。。。
本作の時代背景とか、史実を知っているともっと理解が深まる作品なんだろうなぁ…
全編通して、過剰な程に露悪的。
端々に出てくる全裸の男性ダンサー、あれいる?
彼らは、アントニーナの憧憬(チャイコフスキーへの?それとも男根?)の象徴か。
アントニーナを翻弄し威嚇しているようにも見える。
女性の肉欲と愛への渇望、そしてほんのりマスキュリズムへの嘲笑を感じる作品。
とにかく、主演のアリョーナ・ミハイロワは美しい✨✨