映画としては優秀。要所要所に挟まれた視覚的に目立つ補助効果は、若干うるさく感じてしまった。この映画を観てもなお、ブレッソンの「バルダザールどこへ行く」を観た時の動揺は希釈されない。
EOが出だしの女性との日々を愛でていた「であろう」描写は、人間が作りそうな話だなと思った。しかもそこがサーカス場なのがとてもアイロニカルで居心地が悪くて良い。人間が愛情の生き物だと語るのは人間だけ。どう考えても人間は暴力と消費の化身過ぎてただただ申し訳なくなる。
とりあえず、動物が愛情に対し平和と安らぎを感じることだけは事実だが、それすらも身勝手に利用して物語は作りたくないな。
