さまざまな人のもとを転々とするロバの数奇な運命を描いた異色ドラマ。
ロバEOの視点で見つめられる人間社会。
そこには善人もいれば悪人もいる。
カサンドラ、サラブレッドの飼育施設、子どものケア施設、森での狩猟、サッカーチームの過激なサポーター、移民への蔑視と犯罪…
これが人間世界の全てなのではないかと思うほど、EOの視世界に見られる縮図にぞっとする。
人間の浅ましさや愚かさ、残酷さを静かに糾弾する。
ロバ視点ということでもちろん台詞も多くないが、他の作品よりも雄弁に語ってくる。
斬新な演出だが、とても惹き込まれる。
劇伴も印象的で素晴らしい。