別れる決心のれんのレビュー・感想・評価

艶やかでクールな鮮やかさ。美しき変態性を帯びながら、じっくり加速しお互いの世界観や魅力に惹かれ、取り込まれていく歪なラブストーリーに陶酔する。直接的な描写を抑え想像させることでより強調される色気。目では見えない匂いが浮かび上がり、目で見ることのできる対象への視線の使い方に惑わされ、何かを通して見る見られる関係のハラハラ感が高まり、神がかった演出で奥行の広がりを魅せる。パク・チャヌク監督の確かな手腕とさりげないユーモアもスパイスとなり作品の独自性を確立している。格別な一級品。