「お嬢さん」や「オールドボーイ」とか、かなりトリッキーで癖の強い映画を期待して、いつもパク・チャヌク作品は見るのだけど、今回はクセの強さはカメラワークとかストーリーの複雑さにわずかに現れるだけで(いやそれでも十分にクセは強いけど)。
言ってみればかなりストレートアヘッドなラブストーリーだった。
この監督の大好きなところが、エロを撮ったらおそらく世界一だと思えるところ。今作もとにかくただただエロい。主人公同士の濡れ場があるわけでもないのだが、目があったり指が触れたりすることの、“初恋のようなときめき”がむちゃくちゃエロいのだ。
ミステリーとしてもちろん一通り、それも極上に成立しているのだけど、そんなのは別に"家柄の違い”だとか“戦争で引き裂かれる”とかそうした恋愛の障害であればなんでもいい、それこそマクガフィンになっている。
ヒロインが中国人っていうところも微妙でいいなあ。Google 翻訳で会話するのが、あんなにも一間ひとまがエロいっていうのがちょっと発明ぐらいのレベルだと思う。これは先にやったもん勝ちだな。
結構後引くところはさすがのさすがと言っていいでしょう。いまだにぼーっとしているしね。