WillowMarrais

ヨーロッパ新世紀のWillowMarraisのレビュー・感想・評価

ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)
4.5
東京国際映画祭で見た作品の中で体感として最もスタンダードな品質とテーマ性をもつ欧州映画だった(当社比)。
鑑賞から時間が経ってもじわじわ来るものがあります。

東欧紛争の後、新自由主義によってもたらされた新たな(いや何度目かの)分断。
それに流されるだけの主人公の実存。
もし現地の典型的男性像が彼だとしたら、かなり旧時代的でいて
思想だけが先行してるんだなあと。

もちろん解決策を提示するわけではないが
映画としてのあのラストが多義的でよかった。

典型的なマチズモも弱いみたいな食傷気味のテーマをもっているが
悲劇を引き起こしたのを他者のせいにし
自らの有害性を問わない。
非常に現代的なテーマ。
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