2023年82本目。
家族のような関係の親友だったレオとレミ。
中学校に入学した2人は同級生に「付き合ってんの？」とからかわれ、レオはレミを避けてしまう。
仲違いしてしばらくのこと、レオはレミとの突然の別れを伝えられる。
あらすじでは、LGBTQをテーマにした内容に見えなくもないが、実際は大分違う。
2人には家族に近い友情があったのに、その関係性を指摘され恥ずかしくなる、という思春期に誰もが通る出来事から悲劇が生じる。
この関係性や起点が、是枝監督の怪物とも似ている。
兎に角、自分は子供に重荷を課す映画にメッチャ弱い。この映画も漏れなくぶっ刺さった。
レミの死後、徐々に普段の生活を取り戻すレオ。しかし、要所で罪の意識や不安定な精神状態が見え隠れする。
特にレミの両親に対しての「自分のせいである事を伝えるべきか否か」の葛藤と、大事な人を失ったレオに兄が見せる優しさあたりは、いちいち涙腺を刺激した。
カメラワークもズルくて、
レオがカメラ側のその先の人物や物を見つめるシーンが多いので、彼の顔を正面から見据える事となる。
その表情が示す彼の感情を鑑みるともう…ね。
久しぶりにミニシアター系で大当たりと言って良い作品を引いたかも。
