たむたむ

CLOSE/クロースのたむたむのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
3.9
【永遠を壊したのは、僕。】

第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリに輝いた作品。

もうとっくに終映したものとばかり思っていましたが、『ヒンターラント』を上映中の劇場ラインナップにあり、しかも終映間近!ということで、急遽お休み取ってハシゴして来ました。

兄弟のように仲の良い、幼なじみの少年レオとレミ。その親密な間柄をクラスメイトたちから冷やかされたレオは、次第にレミと距離を置くようになってしまう。その矢先、ある事件が起こり……

激しく感情を揺さぶられる過剰な演出はなく、セリフ少なで静かに胸を打つ…そんな作品でした。
直接的な表現はされず、レミに起こった出来事についてハッキリ明かされることもないし、そこに至ってしまった詳細な理由も描かれていない。それでも痛いほど伝わってくるのは、喩えようのない喪失感。これはもぅ…母親ソフィの気持ちで観ていたら、余りにも苦しくて胸が痛みました(´;ω;`)

てっきり私はレミの方に恋愛的感情があったのかな…と思ってましたが、むしろ特別な感情を持っていたのはレオの方だったのかな。だからこそ自分の気持ちに蓋をするように、レミを遠ざけてしまったのかもと。。溢れ出る涙は、心の痛みによるものだったのかな。

超絶美少年の、レオ役エデン君とレミ役のグスタフ君は本作が映画初出演だったそうですが、自然体の演技は違和感なく、今後の成長が楽しみ♡

是枝監督の『怪物』と対になる印象を持ち合わせる美しい花畑の情景と、エンドロールのオーボエの調べがまた…沁みるのなんの。。
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