Rio

CLOSE/クロースのRioのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.2
 「永遠を壊したのは僕」

ドキュメンタリータッチで描かれる思春期の少年の物語

13歳の少年レオとレミ
美しい田園を駆け回り、共に笑い、疲れたら一緒に眠る
親友以上、兄弟のようなかけがえのない存在

オーボエを吹くレミ
愛おしく見つめるレオの瞳

いつもぴったりくっついている2人
学校に通い始めると
「つきあってるの?」
クラスの女子に聞かれる
カップルに見える
「親友だからカップルじゃない」言い返す

いじめとまではいかない、からかい

次第にレオは人目を気にするようになり、レミを避けるようになる

どうして?誰がどう思うかより自分の気持ちに素直なレミは理解できない

2人の関係がぎこちなくなっていく
レミを見つめるレオの瞳に敵意すら感じる

レミの感情が爆発し、とんでもない事態が訪れる、、、


美しい映像
繊細で悲しいストーリー

カメラはレオの顔を映して話が進んでいく

少年から大人になる分岐点なんだろう
今までは気にしていなかった「男らしさ」
男はこうあるべきという世間の基準
そんなことをしたら男らしくない、変なやつと思われる
皆に受け入れられたい

アイスホッケーを始めたのも
男らしさという鎧を纏っているように感じた

レオとレオママのバスのシーン
レオが察してるのがつらい

レオとレミママの森のシーン
母の気持ちも考えても苦しくなる

クラスメイトで話し合い
からかってた奴
「彼はハッピーな人だった」
何がわかるんだ!!!

レオは自分の気を紛らわすように、農園の仕事を手伝っているように見える

辛いことがあっても、目に涙をためて決して泣かなかったレオがポロポロと涙をこぼすシーン
このタイミングで!?っていう意外さ

是枝監督の「怪物」を思わせるシーンがある
「怪物」ではモヤモヤする大人たちが登場して胸糞でラストまで犯人探し視点で鑑賞していた
本当に「怪物」で伝えたかったメッセージはこの作品で描かれてるんじゃないかなと感じた

で、これを観て今後子供たちにどう伝えて行けばいいかとても考えさせられた、、、

ルーカス・ドン監督作品
トランスジェンダーのバレリーナを描いた「Girl」も観たくなった
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