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私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスターのCのレビュー・感想・評価

4.0
相変わらず、画も編集もプロットもカオス。唯一感情の波の満ち引きにだけ忠実。
デプレシャンのこのテンションは、家族間の愛憎を描くにはいつもすごく適切に感じる。

作品のテーマを啓示的なセリフで言い表しちゃうのも、うさんくさい帰結も、この監督ならOKになる。突き抜けたディテールの良さは大枠の粗さをカバーできる。それが脚本の良さであって、映像にした時に無理があったとしても。

両親が退場して初めて、無垢な頃の関係に戻る。このシーンまで来て初めて2人の主人公の奥行きが現れはじめる。
人格形成後の家族の「裸を暴いてはいけない」けれど、好きだった頃の記憶に囚われるのもそれはそう。
「家族は一番身近な他人」ってよく言われる常套句だけど、他人じゃない時期が確かにあるからその存在に囚われるわけで。
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