れん

トリとロキタのれんのレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
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ダルデンヌ兄弟の独特の描き方にまた目が離せない。流れる音楽はトニとロキタの歌のみ。主演の2人はこれまでそうであったように演技経験がないはずだけど、恐ろしい日常を淡々と生き抜くことでこの空気を生む凄さよ。
アフリカ大陸から命懸けで地中海を渡りたどり着いたベルギー。トニとロキタは血縁はないが、ボートで一緒になって以来、互いを支え合っている。
ビザはなかなかおりず、斡旋業者に追われ、故郷の母親に送金するロキタ。パニックの発作に見舞われながらトニを守りながら地べたを這うような日々を生きている。
小さなトニもまたロキタを誰よりも愛し、危険と顧みず彼女と行動を共にする。

少し先のことさえ読めず、これはまごうことなきサスペンス映画なのだけど。
なんだろう、ここにこそ本物がある、という想いは。
なんだろう……
れん

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