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クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのnanaのレビュー・感想・評価

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クローネンバーグとバーボーベンの新作を観られる2023年。

あらすじだけ読んでも、全く中身が見えてこない作品。
ただ、クローネンバーグが久々にアイコンとも言えるザ・ボディ・ホラーを作ったのではと楽しみにしていました。

これはその手で直接触れるように、実際に目撃しなければ分からない作品。
近年、クローネンバーグをリスペクトしたボディ・ホラー系映画が増えていますが、まさに王者の貫禄。
やっぱり誰も敵わない、唯一無二の映画監督です。

消化を促す椅子(食べづらそう)とか、巨大な臓器のようなベッド(寝づらそう)とか、ビジュアルを観ているだけでも楽しい。

ラストは思わず「うわっ、ここで終わるか!美しい!」と思ってしまいました。

彼の作品を観た後は常に、自分の身体(外側と内側)というものについて何かと考えてしまいます。


特殊メイクでもクリーチャーでも造形でも、クローネンバーグの映画に出てくるあらゆる美術を全て集めたクローネンバーグ博物館をいつか作ってね…。
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