サラリーマン岡崎

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

4.7
体をコントロールする世界を描くことで、
本来コントロールが出来ない自分の体が
異物の様な気味悪さを感じた。

私も年が30を既に過ぎ、
昔は元気だったこの体もコントロールが効かなくなってきた。
そんな体に対して、今まではしてこなかった薬や化粧水など、外の人工物で調整する様にもなってきた。
美の骨頂である田中みな実様も、その美を水やビタミン剤とかいろんなもので調整しているSNSの投稿も最近拝見したが、
この制御できない体を外の力を借りて、皆調整している。

その体を自由にコントロールできる様になる近未来を描く本作。
新しい内臓をつくることをアートとする主人公。
それを操作するパートナー。
これが新たなセックスだと映画の中で発言があるが、
セックスは相手を身体的にコントロールし、
ある意味支配する関係。
ある意味マゾヒストな主人公と、サディストなパートナー、
でも、新しいものを作り出してるのは主人公であり、
面白いセックスの関係が築かれている。
でも、そんな変な関係性が生まれるセックスという行為に対しても、
気味悪さを覚えてしまう本作。

やっぱり、体というのは変なものだ。
今ここにある自分の体も得体が知れない。
でも、コントロールしなきゃ、生きなきゃ。