てるる

聖地には蜘蛛が巣を張るのてるるのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.0
イランで実際に起きた連続娼婦殺人事件をモデルにした映画。

事件を追いかけるのが女性記者なだけに、色んな人に反対される。
ただ反対されるだけならまだしも、警察に襲われそうになったり…恐ろしすぎる。

まぁこの女性記者もかなり無茶するんですけどね。
もう彼女の行動にはハラハラさせられっぱなしです。

でも更に恐ろしいのはこの事件が迎えるその後の展開。
宗教的な理由から現代の日本や欧米では考えられないことになる。

犯人が最初から分かってる話なのに、前半はラヒミの行動、後半は事件の展開でめちゃくちゃハラハラするし、目が離せなかった。

しかし娼婦ってやりたくてやってる訳でもないのに殺されるの可哀想すぎる。

少し前に観た「生き延びるために」でもそうだったけど、何らかの理由で家族から男がいなくなったら人生無理ゲーな社会。

子供がいて背に腹はかえられなくて娼婦をやるしかなかったのに、こんな仕打ちを受けるなんて。
最初に子供との交流を見せられるのがより切ない。

そして殺された女性の家族も、娼婦だからという理由で肩身が狭い思いをする。
哀しみを押し殺して…。

サスペンスとしても、社会問題提起の面からしても良作でした。
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