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聖地には蜘蛛が巣を張るの100shimoのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.0
アリ・アッバシ監督なので、犯人逮捕、事件解決だけでは終わらないとは思ってましたが、ラストにやられました。まいった!
連続殺人犯であるサイードはおそらく心を病んでいたと思います。戦争から帰ってきて建築現場で働きつつも、自分はこのままで終わらない、大きなことをやると信じ、強迫観念的に殺人を繰り返す。
恐ろしいのは街の浄化として、本人を含めある一部の人々に娼婦は死んでも仕方がないという考えが通じることです。
非常に自分勝手な正義です。仮にそれが正しい行ないであっても、法治国家では許されません。
本来であれば、戒めるべき奥さんが旦那の肩を持つことでまた悲劇が生まれるのです。これ以上は言えません。
しっかりとサスペンスしつつ、イランという国の持つ闇を全て詰め込んだかのような作品。お見事、必見です!
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