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ゴールデンカムイのnetfilmsのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.3
 原作漫画は未読だが話題作と云うことでわざわざ公開初日に観に行ったのだが、正直言ってかなり厳しい内容と言わざるを得ない。原作が現在何巻目まで行っているのか知る由もないが、2時間強の映画としては1本で何とか完結して欲しいと言う仄かな願いもはなっから考慮されず、太々しくも続編の繋ぎに紹介VTRで1本目を2000円で見せられたとすれば当然納得出来るはずも無い。香川照之も佐藤二朗も吉田鋼太郎もムロツヨシも出ていないにも関わらず、出てくる登場人物たち全員の芝居がうるさいといういわゆる「THE邦画」丸出しの映画で、劇画タッチの漫画に多少は寄せたとしても、人間が演ずるという演技のリアリティだけは最低限、守って欲しかった。

 とにかく全員の演技がうるさく、物語があまり入って来ないのだが、二〇三高地での鬼神のような戦いぶりから「不死身の杉元」との異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一(山﨑賢人)が砂金採りに没頭するエピソードが物語の起点となるのだが、あの難攻不落の網走刑務所の脱獄囚が複数いることにも驚くが、開始早々おそらく金塊には辿り着かないとわかる辺りがそもそも微妙で、案の定金塊の目前にも辿り着けず、単なる人物の相関関係の説明に128分使うのは単に観客を舐めているとしか言いようがない。例えばマーベルでもDC映画でも全ては繋がっているが、1本1本には明確な区切りがある。今作のようなダイジェスト紹介映像では単純に評価しようがない。頬っぺたにアレが入ったままの主人公のクローズ・アップの多用だけはやめて欲しかったし、やるなら素直にアニメでやって欲しい。
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