この映画は特に、VFXのレベル、ヒロイン(山田杏奈)の演技、アイヌ民族の描写、これらが突出して良かった。
もちろん他の要素もたまらなく良かったが、この3点はこの映画を名作とさせるほどにいい味を出していた。
まずはVFX。レタラがとにかく良かった。
サービス精神旺盛なカットが多く、本来なら無駄と考えられそうな動きまで、リアリティを出すために再現されている。
これにはとてつもない制作陣の本気を感じた。
次にヒロインの演技。巷では作中の年齢と離れすぎていると言われているが、オソマのくだりにおける演技を見ると、この人でしかありえなかった役であると、容易に考えることが出来るであろう。
最後にアイヌ文化の描写である。
こういった、バトルアクション映画では、これまでに感じたことのなかった「学びたい欲への刺激」が感じられた。
本来これらの類の映画は、出来るだけ専門的な話は避け、見てる側が咀嚼しやすいようになるべく取り除かれるものであるが、今作は違う。
一つ一つの文化を大事に扱い、尊重する姿勢が見られる。
このパートをしっかりと映画でも残している点は英断である。