ちゅんせ

ゴールデンカムイのちゅんせのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
4.1
原作への配慮をしつつも、これまでの実写化と違い漫画的表現ではなく、あくまで映画的表現を軸にした映画への矜持を全面に感じる構図や演出に感涙。
『二百三高地』から始まる硬派な展開と原作見処の一つ食事場面での緩急を付けた構成。実写化での理想形を体現。
今後は本作が基準になる歴史的分岐点であり、邦画の可能性を感じる希望に溢れる大傑作。全てに於いて言うことなし。
いつこれ完結するの?って懸念点も、むしろ続編なくても本作のみ完結でも大満足って思えるくらいには満点に近い出来栄え。

漫画アニメではなく実写である意味を追求しているのが素晴らしい。二次元では表現出来ない生身の役者とカメラの関係性を十二分に発揮した最高峰。山田杏奈のコメディエンヌとしての才能、山崎賢人の昭和臭する泥臭さを引き出した本作の功績は計り知れない。なにより日本戦史に残る二百三高地の凄惨さをあの短時間で見せる胆力には驚愕。大傑作『二百三高地』『坂の上の雲』を再鑑賞したくなる想いを抱かせたのが何よりの証左。暴力描写にも真っ向から挑んでるのも評価高い。訳のわからないダイナミックな昭和映画の雰囲気をも漂わせる怪作でもあるのが凄いところ。

ダメ押しで熊も狼も出るしCGだけに頼らずに着ぐるみも使用してるのも最高なのよ!
ちゅんせ

ちゅんせ