2022/09/23 シアターキノ
映画配給会社のビターズエンドのことを、ずっと「バッドエンドの映画しかつくらない配給会社」だと思っていたころがわたしにもありました。
母親不在の物語。愛が云々言わないところがあっさりさっぱりけれどもどろりとしていてよかった。養育と愛と成長と自尊心はまったく別物なのよ、他人と自分が違う人であることと同じように。
それにしても起承転結の転の転がり方がえぐい。鈴鹿サーキットもびっくりの急カーブ。え、え、ちょ待ってってなる。けども現実もこんくらい不条理なもんだよなあ、と納得しかけていると結でまったく結ばれない。そんな結び方ある?
ちょうちょむすびのやり方習わなかった子供が悲しいかな大人になっても永遠に靴紐を縦結びにしかできないみたいな終わり方。そんなことってないよ!でもまあ現実も同じくらい不条理……いや……どうなんだ……でも昨今世の中で起こり、かつ明るみになっているさまざまな事件事案もこんくらいしんどいものっちゃしんどいものなので、なんちゅか現実味を感じさせるのがうまい映画だった。
りかさんとしおりちゃんの俳優さん、素晴らしい演技だった。引き込まれてしまったよね。オダジョーは言うまでもなく。オダジョーがところどころアドリブで遊んでるのがこれ絶対笑わせにきてるだろ…って我慢するの大変だった。