たかこねこ

夜明けのすべてのたかこねこのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.6
2024/02/12 イオンシネマ釧路

ケイコがとてもよかったので、三宅監督の作品を見に。
結論から、とてもよかった。
主人公たちと同じ薬を飲んでいるのでなんとなく彼らの隣にいる気持ちになって観ていた。自分の薬が出てくるとドキッとする。アルプラゾラムって映画にそこまでカジュアルに登場する薬じゃないから。でも精神薬としてはカジュアルよね。
彼女と彼が同じ薬を飲んでいても副作用が全く違うように、PMSもパニック障害も全く違う辛さがあって、わたしの精神疾患ともまた違う。わかりあえなさをとことん描きつつ、わかりあえない間でも「3回に1回は助けられる」のがわかりあうということなのかも。
あとは音。ケイコでは音の使い方が秀逸だったけど今作もそれが光っていた。厳密に言えば無音の使い方。
あと、映画のラストに近づくと邦画ってやたら人を走らせる、あれわたし嫌いなんだけどあれを自演者ですーっと街を抜けるのに変えていたのが素晴らしかった。カメラワークも煽るのではなく遠方から、景色のひとつのように撮っていて、爽やかだった。また近々、田舎の映画館で上映を終了してしまう前に観にいこうと思う。
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