ShinMakita

クリスタル殺人事件のShinMakitaのレビュー・感想・評価

クリスタル殺人事件(1980年製作の映画)
1.7
*追悼:アンジェラ・ランズベリー




1953年。イングランドの田舎町セントメアリーミード…
教会で開かれたミステリー映画の上映会。主人公の警部が関係者を集め、いざ謎解きというクライマックス場面で、映写機がぶっ壊れてしまう。観客がブーブー文句を言うなか、1人のババアが立ち上がり、推理を披露して犯人を言い当ててしまった。このババアこそ、頭脳明晰で口煩いご隠居、ミス・ジェーン・マープルである。

いま村は、休養中のアメリカ人有名女優マリーナ・グレッグと夫である映画監督ジェイソン・ラッドがやってきたことで盛り上がり、歓迎パーティが開かれている。そこで転倒してしまったミス・マープルは、脚を怪我して家での安静を余儀なくされる。そんななか、マリーナの天敵とも言えるライバル女優ローラ・ブルースターを伴った映画プロデューサー、マーティがパーティ会場に現れる。マリーナの復帰作にローラをゴリ押しするためだ。一触触発の雰囲気のなか、マリーナのファンだった地元のおばさんヘザーがダイキリを飲んで死亡してしまった。パーティに出ていた家政婦チェリーから話を聞いたミス・マープルは、家で休みながらヘザーの死の真相を突き止めようとアタマをフル回転させるのだった。



「クリスタル殺人事件」


アガサ・クリスティが生んだ安楽椅子探偵ミス・マープルの一編を映画化。ユーモアも冴えてますが、キャストが豪華なのが楽しいですよね。マープル役は、後にジェシカおばさんに変身するアンジェラ・ランズベリー。監督ラッドはロック・ハドソン。映画プロデューサーはトニー・カーティスで、執事役はチャールズ・グレイ。監督秘書はチャップリンの娘です。マープルの甥で映画マニアの警部役はエドワード・フォックスでした。何より、ハリウッド女優役でエリザベス・テイラーとキム・ノヴァクが競演してるのが凄い。ハリウッドネタと、テイラーのデブ自虐ネタにはウケました。

ただこの映画、若干説明不足な点も。それは、犯人が監督秘書エラを殺す描写がなく、マープルもエラ殺しの真相に言及しないため、結局なぜ殺されたのかよくわからないで終わっているんです。ま、おそらく犯人の正体に気づいて殺されたんだろうけど、せめてセリフでもいいからマープルに語らせるべきでした。
ShinMakita

ShinMakita