富樫鉄火

ブラインドマン/タイタニックを見たくなかった盲目の男の富樫鉄火のレビュー・感想・評価

4.0
#143 フィンランド映画祭@ユーロ
これは傑作!
盲目で多発性硬化症で下半身不随、車椅子生活の男(しかし、けっこう陽気で、晴眼時代は映画マニアだった)が、ネットで知り合った女性に会いに、意を決して、一人で外出する。
最初は、コメディ色のある障害者映画かと思いきや、途中からスリラー・サスペンスとなり、『暗くなるまで待って』の野外現代版、手に汗握る展開となる。
ラストでは、思わず泣いてしまった。
盲人の感覚を再現するための、画面や音響演出が見事で、映画には、まだまだ、未開発の手法があることを、痛感した。
妙に説教臭くなく、それでいて、障害者問題をちゃんとエンタメで示してくれる。
スマホが、盲人にとっていかに重要で素晴らしいツールかがわかって、勉強になった。
ゲストのプロデューサー氏も明るくて楽しい方だった。
TIFFより、はるかにいいセレクトでした。
富樫鉄火

富樫鉄火