爆裂BOX

透明人間 インビジブルの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

透明人間 インビジブル(2021年製作の映画)
3.0
ロックダウン中で静まり返るイギリスの街。そんな中、金髪女性を狙った連続絞殺事件が発生。女性刑事ジョージは捜査を開始するが…というストーリー。
「ゾンビ大陸アフリカン」のハワード・J・フォード監督が贈るコロナ禍でロックダウン中のイギリスを舞台にしたサスペンスホラーです。
ロックダウンで人々が家に籠る中、金髪の女性ばかり(まれに茶髪の女性も)を狙った連続絞殺事件が発生し、逮捕した容疑者に唾を吐きかけられ、その男が陽性だったために自宅隔離中の女性刑事ジョージが捜査をする、という展開ですが、前半は被害にあう女性たちの日常とその中で勝手にドアが開いたり物が飛んだりする現象が描かれます。この勝手にドアが開いたり誰かが自宅にいるという不気味な雰囲気の描写は良いですね。ただ、タイトルに「透明人間」とついてますが、皿や椅子が飛ぶポルターガイスト描写や暗闇にぼんやり浮かび上がり電気つけると消える人影などどう見ても幽霊っぽいな、と思ってたらトニー・トッド演じる超常現象研究家が出て来て「街に人がいなくなると幽霊が溢れ出てくる」等と言い出して、実はゴースト殺人鬼物だと分かります。なので正確には透明人間ではないですね。トニー・トッドは重要そうな感じで出てきますが、出番はちょっとだけです。
主人公は妹?恋人?の意見で半信半疑ながらも超常現象研究家に意見を仰いでその意見や現場に残された手掛かりから事件に迫っていき、同じ手口で殺人を行い刑務所で自殺した連続殺人鬼に辿り着きます。ここら辺の展開はサスペンスとしては悪くなかったかな。後半のかつて殺人鬼から生き延びた女性が再び狙われる展開もハラハラしました。後、殺人鬼が被るマスクがどう見ても「ハロウィン」のマイケルのマスクなのはちょっと笑っちゃった。
子供時代虐待を受けていた主人公が同じく虐待被害者である殺人鬼を理解し許しを与えたことで殺人鬼が救われて成仏する展開は個人的には納得いかないな。悲惨な境遇で変わったとはいえ、生きてるときも死んだ後も罪も無い人殺しまくってる時点で同情されたり救われる権利自分から手放しちゃってるようなものだと思うので。当たり前だけど一番可愛そうなの被害者達ですしね。救われるんじゃなく怯えて苦しみながら地獄に行くような展開が良かったな。
ラストの展開はちょっと意味わからなかったな。あの殺人鬼は成仏したわけじゃなかったのかな?彼を虐待したのが主人公虐待したのと同一人物なのは分かったけど、「XY」の文字といい、校長も悪霊になってるのかな?同時に二か所で襲われてたのも一方は虐待した校長がやってたのかな?最後は思いっきり「続く」という感じですね。
透明人間物というよりゴースト物なのでタイトル詐欺な気もしなくはないですが、サスペンスホラーとしてはそれなりに見れる出来ではないでしょうか。