垂直落下式サミング

ジョーズ・リベンジの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ジョーズ・リベンジ(2021年製作の映画)
3.0
中国産のサメ。陸地が水没して建物のなかにサメが入ってきちゃう災害パニック&動物パニックちゃんぽん系。主人公の水中結婚式の回想からはじまるオーブニングはいいアイデアだと思うけれど、なんかすごく抽象的で断片的なモンタージュの羅列。
ここで、主人公の過去のトラウマが描かれてキャラクターにグッと入れ込ませるのが狙いのはずなのだろうけど、ちょっと上手くない。
この新郎新婦を幸せの絶頂から不幸のどん底のさらに底へと叩き落とすくらいの意地悪さがないと、モンスター映画はつとまらないぜ。
リゾート映画としても微妙。せっかく水着パリピなシーンがいくつもあるのに、エロさが足りない。素晴らしいリゾートに惨劇が起こるからその落差でスリルが生じるのに、世話しない映像編集で誤魔化す安っぽい観光地のプロモーションビデオみたいでうんざり。
たいして楽しそうじゃないビーチの映像と、書き割り的な登場人物たちのキャラクター説明に終始する前半は、かなりつまんなかった。
しかし、大惨事が起こってから生き延びるためのサバイバルに発展していく終盤にかけては、序盤の無得点を取り返すように加速度的に面白くなってくる。
登場人物たちが津波によって水没したホテルに閉じ込められてしまうところは、そこそこの大きさのセットを実際に水浸しにさせて撮影しているようだ。
ホテルに居合わせた生存者たちが、浸水した建物のなかでサメから逃げ回り、すったもんだするさまを臨場感たっぷりに見せることで、パニック映画の真っ当な驚きで目を楽しませてくれる。
家庭で使う電力くらいなら、水浸しでも数メートル離れていれば感電しないってのも、まあ、確かにそうかなって感じではある。攻略するためには、おっさんの背中を蹴ってジャンプすればノーダメでいける?それには審議が必要。濡れ手でブレーカーはヤバすぎる。