予告編の映像と、エルファバとグリンダの二人にフォーカスした『オズの魔法使』の前日譚をミュージカルにしたのが原作らしい という事だけ頭に入れて、ほとんど内容を知らずに観に行ったが、冒頭とラストだけで「あぁ〜あ、もう一回観たい…!」と思ってしまう…とりあえず1939年の『オズの魔法使』を見返した。
前情報で『オズの魔法使』で悪役だった西の悪い魔女[ウィキッド]エルファバが主人公だと知って観に行っている訳だが、それでも…
床に転がるバケツと水溜まりにぽつんと残された黒い三角帽が映し出されて 吉報としてエルファバの死を放送する音声が入るオープニングを観て「うわぁ…これから絶対不可避の悲劇への道のりを観るのかぁ…」と凄くゾクゾクした。
そしてその後登場する善い魔女グリンダの、ウィキッドの死による自由と平和を歓ぶ歌を国民と共に歌いながらも 時折り見せる微妙な表情に「"公には出来なかったが本当は堅い友情で結ばれていた"だとか"望まず対立する立場になってしまった悲劇的な二人"ではない、友愛も憎しみも入り混じった複雑な関係性」を匂わせてくれてとても良かった。
ここまでのアバンタイトルだけで この映画は「勝ち」だと確信した。
そしてあのラストである…。
本当は「アリアナのコメディ演技がずっと良かった事」とか「スペシャルゲストアクターの事」とか語りたい事は尽きないのだがこの辺りで締める。
原作ミュージカルの出来の良さがかなり強いとは思うが、それでも映像作品としてこれだけ高いクオリティの映画が届けられているのだから、是非とも日本でも大ヒットして欲しい!
後編が楽しみ!!