このレビューはネタバレを含みます
歌が良すぎる。。初めにPart1と出て、次回もあるのかと思った笑
序盤〜中盤のイジメはしんどい。
人間社会の差別とは違って、喋る動物や緑色の肌といった、現実には存在しない、あるいはファンタジー的な特徴を持つ存在が抑圧される側として描かれる。非現実的であり得ない特徴を持つ存在が蔑まれることで、差別や抑圧の概念自体が、人間社会から一段階下として抽象化されている(喋る動物や緑の肌は、人間としての基準から外れた存在のため、人間社会の下に置かれているように見える。)
ファンタジー的な弱者を描くことで、現実の差別や抑圧を浮き彫りにしている。動物の声が奪われるのは、現実でのマイノリティ側の声が無視される状況や、エルファバへの偏見は見た目で判断される差別ともリンクする?
そういった現実とファンタジーのギャップを使って、上手く表現している。
現実での差別では『人間』という枠の中で抑圧されるのに対して、ウィキッドでは『人間らしさ』から外れた存在に対しての抑圧となる。だから『人間としての平等』ではなく、『そもそも人間として認められること』が課題になる。
エルファバには、魔法使いとしての才能が眠っていて、結局は生まれ持った能力によって打開できるかが決まる?と思いながら観ていた。が、最終的には、その力と行動(魔法使いへの反抗的な態度や動物たちの解放)によって、悪人のレッテルを貼られる。そしてプロパガンダによって『西の魔女』とも呼ばれ、人々に恐れられる。エルファバは抑圧から解放されるために戦っているけど、体制側から見れば、脅威になる…。
Defying Gravityを歌って、自分の信念を貫く覚悟を見せたシーンが印象的だった。
重力に逆らうって表現もいい!