このレビューはネタバレを含みます
ほぼマンホールの中での99分、どうなってゆくのかなと少し警戒もしていたが予想以上に面白かった。これが2023年1本目映画になった私、とんでもない1年になりそうで楽しみ。
汚くて痛い作品だった。
ホチキスは痛いし顔にナイフが刺さるのも痛い。マンホールも人の心も日本社会も汚ねえ。
ネットも汚いが救いにもなり得る…
中島裕翔氏が演じている役がかなり筋の通ったクズで、ずっとその嫌さがはじめからじわじわと滲み出ていて(かつ加速していくのが)よかった。コイツ助けを求めるときに"すまない"は言うのに"ありがとう"は口に出さないな〜文字では一応打つんだ、と思っていたら、やっぱり自分は悪くないという意識でいっぱいの人間だった。
マンホール"女"と嘘をついたことで最後助けてもらえず自分が殺した人間と同じ穴で蓋を閉められて死ぬ(であろう)の因果応報という感じだった。
"女"にした方が助けてもらえそうだから、というのも最初からそういう思考回路なんだろうなと察していたけど、はっきり言っていてわかりやすい構成だった。
黒木華氏が出てきてニッッコリした。あそこで出てくるのワクワクがとまらねえでしょう。
途中で画面の色味が変わって黒木氏が着てるコートが黒ではないということがわかるのが面白いなと思った。
奈緒氏が終始ふわ〜っと喋るのなんでなんだろうと思ってたけど、そういうカラクリが…!
泡があれだけ怖さを出してくる存在になり得るとはたしかに思ってなかった。ライターで一撃なのもっと早く気づければ〜と思ったがここはネットの力に救われたひとコマでもあった。し良く生きてるなとも思った。
あの泡、コーヒーと鰹節と青のりを入れてできたものと上映前の舞台挨拶で言っていたので、泡を観ながらどんな匂いするんだろうと考えていた。
2023-01