コマミー

#マンホールのコマミーのネタバレレビュー・内容・結末

#マンホール(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

【#マンホール女】




前情報もなしに、全く期待せずに観に行ったのだが、また良い方向に騙された作品だった。

まず本作は、とても良くできた"ワンシチュエーションスリラー"だったのだ。ワンシチュエーション作品とは、いわゆる「CUBE」や「フローズン」、サスペンスものだと「ギルティ」などが挙げられる。1つの場所や状況で物語が進行する作品の事だ。
「CUBE」や「フローズン」を挙げたのは、ワンシチュエーションもので私がお気に入りな2作だからだ。この2つを超えられる作品は訪れないだろうと感じた。特に邦画だと、"低予算でクオリティーの高いもの"を作れるワンシチュエーション作品は、意外にあまり作られていない。

しかし、2023年…本作が現れた。

第一の感想としては、"マンホールの中の構造"についてだ。まずこんな古いハシゴがボロボロなマンホールを選んだのはとてもセンスがあるなと感じた。ワンシチュエーションは、「フローズン」や「ソウ」シリーズの一作目のような、"どこにでもあるような閉鎖的な環境"が舞台に使われやすく、そこから出られなくなったら絶望感も半端ない。古いマンホールは、日本中どこにでもある。良いチョイスだなと素直に感じた。

そして、"伏線回収"。本作は終盤で、思わぬ急展開を見せるのだが、とても"胸糞"だったし、同時に"SNSの闇"や"人間の怖さ"、そして"日本社会の闇"をも拡げて考えさせられた瞬間であった。
顔を隠して何にでもなれる、"SNS社会が発展した今"だからこそ撮れるワンシチュエーションスリラーとなっていた。詳しくは、本編を観てみて欲しい。

"中島裕翔"さんの演技がとてつもなく良かった。アイドルとしても俳優としても、素晴らしい成長を遂げたなと感じた。
そして、日本でも本作のようなクオリティーが高いワンシチュエーション作品を撮れる時代が来たのだなと高揚感たっぷりに劇場を後にしたのだった。

いやぁ、ほんと良かった。良作ですよ。
コマミー

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