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#マンホールのSSDDのレビュー・感想・評価

#マンホール(2023年製作の映画)
3.6
◼︎概要
結婚式を翌日に控え、同僚からのサプライズパーティーの帰りに意識が朦朧としマンホールに落ちた男。なんとか脱出を試みようとするのだが…。

◼︎感想(ネタバレなし)
シチュエーションスリラーのため、マンホールという空間でどのように展開していくのかが見せどころ。
なかなかご都合的な内容で観終わっても説明がつかない部分が多く、脚本の穴が気になってしまうがなかなか映像の観せ方や、ストーリーに思考を凝らしていて邦画としてはかなり斬新。悪くなかった。

本作もネタバレがあると非常につまらなくなる作品のため、感想にネタバレ書いてる人も多いことから未視聴ならあまりレビューを見ないようにするのをおすすめ。












◼︎感想(ネタバレあり)
・ご都合
-入れ替わった吉田は両親は健在だったように話していたが自身の失踪はどう隠蔽した?
-黒幕の妹はなんで入れ替わったのに気づいたとして、死体の場所がわかったのか?
-同僚ボコった正義マンは子供だったがどうやってボコったの?
-警察が居場所特定しましたので救急と向かいますは黒幕の仕込み?
-SNS使うことまで見越してはめる意味はなんだ?
-フード被った女が飲み会出入りしてて不審がらないのか?
…など伏線回収不足というか整合性がわからん部分が大量。
そもそも死体を見つけているはずなので、マンホールに落としてスマホを奪っておけば事は足りるのだがなぜこんな回りくどいことをしたのだろう。

・展開力
マンホールの中で、スマホを駆使してできることという展開はサーチのようで限定的な制限の中で表現する手法は面白い。
SNSの匿名アカウントへの反応を考えて女性にしたり、YouTuberが遊び半分に救いに向かったり、正義主張による脳内麻薬で酔い過剰な行動に出る少年など、誇張とも言えない社会風刺は効いていた。

・表現力
犯人を浮かべる際にマンホールの穴にそれぞれ容疑者を覗き込ませたり、マンホールに赤い文字で殺せと浮かんだりと主人公の思考をビジュアライズする手法は、なかなか良かった。ホラーテイストで表現される描写はこの監督はホラーに振り切ったほうが面白そうと思える。

・総評
シナリオの穴がボコボコと空いていて一個一個がこの作品のマンホールのように深いのだが、こまけぇこたぁいいんだよ!と振り切っている感を感じるため、悪くはないと思える不思議な作品。

荒すぎる部分はあるが表現力は良かったし、思ったよりも楽しめる作品でした。
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