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イベント・ホライゾンのSSDDのレビュー・感想・評価

イベント・ホライゾン(1997年製作の映画)
3.9
▪️概要
ワープ航行の実験のために造られた宇宙船、イベント・ホライゾンは実験に成功したのかの是非もわからぬまま消息を絶った…しかし7年の歳月を経て救難信号を送りながら出現。
造船に関わった博士とともに宇宙船が送り込まれ、救護活動と称して天文学的な予算を注ぎ込まれたプロジェクトの是非を確認しに向かうことになるのだが…。

▪️感想(ネタバレなし)
過去観た時は色々知識がなく観たため、当時コケ下されたのと同じような評価でした。このカルト映画として人気を誇る理由を再視聴して理解。

色々と当時言われていたオマージュのてんこ盛り感と期待してた展開と違う感が、酷評されたんですが、よく見直すと分かる拘りなどを感じれます。

まぁ簡単に言えば消えた宇宙船が帰ってきた…期待するのはSFパニックホラーだったということでしょう。それを裏切る、斜め上のホラー感。

本作は独特な世界観をビジュアルで拘り、なかなかのゴア表現も繰り広げられる唯一無二な作品。

後にデッドスペースというゲーム作品に影響を与えたり、コアなファンが多い。

特に宇宙船の独特のビジュアルは大神殿を内部までキャプチャーして構造解析をしたものから再構築したという、徹底した拘り。
どこかゴシックなホラーな雰囲気を生み出したこの宇宙船だけでも必見です。

ゴアなカルト作品が好みの方にはオススメの狂気の作品です。











▪️感想(ネタバレあり)
・オマージュ?
シャイニングの血のエレベーターやらシーンごとにおい!ってなりますが、もうこの作品自体コズミックヘルレイザーなんです。

皆期待してたエイリアンは現れず、まさかのサイコホラーで期待を裏切ってきます。

だがそれがいい…ワープ航行した先は地獄と呼べるクトゥルフ的な邪神の領域。
船体自体が生物化してしまうというコズミックホラーはたまりません。

・鉄の男
艦長が優秀すぎる…流石ネブカドネザルを任されています。あ、それはモーフィアスか。
大体無能な艦長やら上官が言わんこっちゃないことしてあかんことになるのに。
任務放棄して帰る!と即英断できる、"できる男"。
どんな場面でも即座に判断して冷静に的確な指示を出せる。

そんな艦長でも判断が必要だったのは、博士をさっさと宇宙空間に放り出すという決断でした。

しかし博士も船に呑まれ狂気の世界の住人になってしまってからという理不尽極まりないのです。なんとも不遇。

・総評
様々な作品に影響を受けながら与えた作品ですね。
登場人物の艦長の聡明で果敢にも関わらず、コズミックな邪神が実態を見せずにサイコホラーな展開で理不尽になぶっていく作品は唯一無二な感覚。

サム・ニールの狂っていく演技も大好きなので、マウスオブマッドネスも最高でしたが甲乙つけがたいところ。
いやーやっぱりホラーは楽しいですね。
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