近年のORハッピーサイエンス映画は特撮退魔士路線が目立ちますね。
決別した息子の趣味かはわかりませんが80年代SFアニメOVA路線が最近ないのは寂しい限りです。
7の付く日の7時7分に塩で描いた五芒星の上で手紙を焚き上げるとやって来るという異常にコンタクトがめんどくさい呪い返し師 塩子の活躍が描かれます。
OR映画の魅力といえば教祖様自ら作詞していると言われる、比喩などを完全に排した画面を見たまんまなぶっ飛んだ挿入歌の数々なのは皆さんご存知だと思います。
今作も開始5秒で「また鎌倉に来てしまった〜♪」「人間界の恋なんてもうできない〜♪」「愛せるのは大仏だけ〜♪」と観客を置いてけぼりにするヒートアップぶりです。
あ、ちなみにここで言われる大仏はみなさんが知っている鎌倉の大仏ではなく鎌倉の会館に建立されている金ピカの彼の立像です。
生霊に取り憑かれたのを塩子に救われたオカルト研究会の女子高生三人組がいろんな問題を塩子を召喚して解決していくオムニバス形式の映画です。
塩子がアニメ「悪魔くん」の12使徒形式で召喚されるのが珍しいです。
もうここの召喚シーンは今作に興味のない方もちょっと見てほしいほどのトンチキぶりで大好きですね。
塩子のテーマソングをバックに塩の嵐と共に登場する塩子さんは今年見た映画の中で一番の珍シーンです。
しかも毎回毎回丁寧にテーマソングを流すのが段々と面白くなってきます。
生霊はともかく振り込め詐欺とか夫のDVとか教授に単位をもらえなかったとかの相談に「コレも呪いと言えるかも。」とスナック感覚で塩子さんを呼び出す女子高生達にも問題があると思います。
まあいろんな問題を解決しますがお金持ちで東大理3を卒業した高身長イケメンの悪行に対する塩子さんのブチギレっぷりが常軌を逸していてびっくりします。
「イケメンだろうが金があろうが学歴があろうがそんなことに何の価値もない!」
「徳を積んで人を救うことこそが1番偉いんだ!」という塩子さんの叫びの後ろから完全に教祖様のコンプレックスが見え隠れしているので微笑ましかったです。
冗談はさておき今作では今問題になっている新興宗教がどの様な感じで信者を増やしていくかというのを垣間見ることができます。
被害者に対して味方として接して話を親身に聞きながら「相手が悪いのはもちろんだが、あなたにも心の隙があったのよ。」と諭してくるんですね。
振り込め詐欺にかかった老人にもこう言ってきますしね。
すっかり塩子さんの信者になった女子高生三人が学校で塩子の教えを発表して大団円を迎えます。
これは逆に今見るのにちょうどいいタイミングの映画になっているのではないでしょうか。