製作総指揮を務めてるウォン・カーウァイ味を感じたくて鑑賞。
なるほど、随所でウォン・カーウァイを発見!
幻想的な雰囲気には何処か爽やかさがプラスされていて、いわゆるWKWワールドとは一味違う。湿度と粘性は感じない分スタイリッシュさが際立ってた。
余命設定は、それだけで狙った感とか逆にハードルの高さも感じるけど、若さ故の過ちの意味でも人生の複雑さの意味でも、予想以上にすんなに心に落ちる。序盤からぐんぐん引き込まれ、終盤のまさかの展開まで飽きずに見入った。
また、若干のあざとさは若さ故の尖ったイメージと上手く混じりあってたと思う。
人生のラストにこんな風に過去を帳消しする事なんて、現実的ではない気もするけれど、やはりどこかでこの理想的な終わりを求めてもいる気もする。
生きるとはどういう事なのか、その意味とか、困難さや残酷さとか、引っ括めて生きるって素晴らしい事なんだ!
…純粋にそう思える作品だった。
初めてのタイ映画に、しかも青春ストーリーに、まさか人生哲学めいたものを考えさせられるとは!
タイトルとエンドロールの歌詞が沁みる。いや、染み渡る。