しちれゆ

ミセス・ハリス、パリへ行くのしちれゆのレビュー・感想・評価

3.7
1957年ロンドン。「私、パリに行く!ディオールでドレスを作るわ!」60代後半のミセス・ハリスは家政婦先のお家でディオールのドレスに魅せられて一大決心。色々とうまくいき過ぎなお話ではあるけれど、全ては彼女の人徳ということでしょう。
ディオールメゾンでは皆が優しく迎えてくれて専属会計士アンドレ(『チケットトゥパラダイス』で目を付けたリュカ・ブラヴォー)の家に泊めてもらい侯爵に親切にされる。そして私が楽しみにしてたのはマネージャー役のイザベル・ユペール様。威圧的に見えた彼女は古く汚い家に住み、戦争で大怪我をした夫の世話をしている。強くあろうと鎧を纏っていた彼女は苦労人だった。メゾンで働く沢山のお針子たちもまた華やかに見える世界で搾取される労働者であり、オートクチュールからプレタポルテへの時代の変化も興味深い。
そしてロンドン。赤いドレスと赤い靴、長いグローブ。新しい恋も?🥰
前向きで明るく優しいミセス・ハリス。
福は自分で呼び寄せよう。
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