daiyuuki

グリーンバレットのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

グリーンバレット(2022年製作の映画)
4.3
プロの殺し屋を目指して、京都最強の殺し屋・国岡(伊能昌幸)がインストラクターを、真中(松本卓也)が助手を務める殺し屋訓練合宿に参加したサボリ癖などで仕事が長続きしない山田ふみか(和泉芳怜)、国岡のファンの神里はるか(天野きき)、はるかの親友で柔道が得意な今井美香(山岡雅弥)、芸能事務所に騙された東雲唯(辻優衣)、殺し屋の父に幼い頃から訓練を受けてきた鹿目梨紗(大島璃乃)、口が悪い沖田響(内藤花恋)の6人。
だが、個性が炸裂する6人は早くも喧嘩を繰り返し破綻をきたし、国岡でも全くコントロールができない。
そんなストレスがピークに達した時、振込み詐欺を繰り返す半グレを的にした最終試験で半グレに訓練生が囚われ、訓練生を救出しようとした真中が半グレと銃撃戦になる事故が暴発。
それは、凶暴かつ最悪な殺し屋集団“フォックスハンター”を合宿所へ向かわせることに。
果たして国岡は、新人女子6人と共に生き残ることができるのか……。
「ベイビーわるきゅーれ」の阪元裕吾監督が、ある殺し屋の日常を描いた「最強殺し屋伝説国岡 完全版」の外伝。

京都最強殺し屋の国岡昌幸が、怪しげな会社から殺し屋訓練の教官を依頼され、クセ強い社会不適合者6人の訓練を勤める前半部分は、サボリ癖のある山田や国岡にタメ口きいたりする沖田や生真面目過ぎる鹿目など癖のある新人に苦労しながらも、彼らの適性を考慮して伸ばす訓練を国岡が施していく無骨な教官ぶり、訓練生同士がぶつかり合いながら心通わせ殺し屋のスキルを磨いていく「林間学校」のような青春群像劇が、サボリ癖があり劣等生に思われた山田ふみかが射撃ゲームAPEXで鍛えた腕を実銃でもみせたり、神里はるかと今井美香の仲良しコンビや山田はるかと沖田響の口の悪い癖ツヨコンビや銃が苦手な鹿目を中心に団結していく青春模様が、演技初挑戦のミスマガジン6人の成長とダブらせる感じで描かれるのが、「ベイビーわるきゅーれ」で描かれる女の友情を濃縮した感じでエモい。
新人殺し屋6人とフォックスハンターの抗争は、それぞれの適性を見抜いた国岡の指南により、絶妙な連携攻撃を見せる山田&沖田コンビ、仲良しコンビの神里&今井が銃と格闘のユニークな連携攻撃を見せ、ヘタレな真中や訓練生の世話係の浜部(板尾創路)が見せる男気、銃が苦手だった鹿目が大事な仲間たちを救うために見せる大活躍、「殺し屋は、ヒーローじゃない」と一線を引いていた国岡がフォックスハンターのボス双葉(中村龍介)とのバトルで見せる兄貴分としての男気が、「エクスペンダブルズ」「トリプルX再起動」などのオマージュを絡めつつ少年漫画のような胸熱さと小柄な女性の体格などを生かした坂口芙琴のアクション指導による体格や力で上回る男を力でハンディのある女の子が倒すユニークなアクションで描かれるので、国岡や真中が脇にまわっているものの、「国岡」「ベイビーわるきゅーれ」で描かれる社会不適合者個人や2人の奮闘からお互いの弱さなどの生きづらさを理解し合う女の子たちの青春群像劇でグレードアップしていく阪元裕吾監督ユニバースの発展系として痛快な青春アクションコメディ映画。

PS ミスマガジン6人の推しは、グラップラーの今井美香を演じた山岡雅弥、口が悪いけど兄貴肌な沖田響を演じた内藤花恋。
daiyuuki

daiyuuki