このレビューはネタバレを含みます
村の復興の感じとか、説得力にかける部分はいくつかあるものの、個人的にはど傑作でした。
臭いものには蓋をする、感情を押し殺す。全編通して「隠蔽」がテーマ。
村の悪事は村長が、違法廃棄物はゴミ処理場が、そんな村の事情は優が、優の内面は美咲が。誰かが誰かの能面となり、臭いものに蓋をしていく。この多重構造自体がもうかなりおもろい。
優が能面を被った時の呼吸音がゴミ処理場の穴から聞こえてきたのも、この村全体が大きな能面を被っているという暗示だろう。
全てを燃やした後の優の振り向くシーンは忘れられない。
だからこそやはり。エンドロール後のラストカットの希望にカタルシスが感じられる。
あのラストカットではきっと、あの処理施設は廃止され、金貸しも摘発されているだろう。
優が全てを燃やしたおかげで、晴れて1人の青年は村を出ていくことが出来た。
P.S.
絵作りホントすごいわ。祭りのシーンとか能のシーンとかほんとに美しい。
あと黒木華あれ顔キャスティングだよね。
横浜流星にとっての能面。
