ポックンポクン

ヴィレッジのポックンポクンのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
3.2
前半の卒のない描写構成伏線がかえって展開を読ませてしまう物足りなさを感じた。じっとりとしてキレのある映像は好みだし横浜流星の演技も良い。黒木華は往年の田中裕子のような母性的なしめっぽさがあり前半早々から濡場を期待させる妙な色気を発していた。作品のテーマは閉ざされた村社会と繰り返される諸行無常、人生夢の如く儚し。心理描写の結び目として村長の母の顔は素晴らしかったし、それは能面の描写にも熱量を持たせていたように思う。まだ日本のそこここにありそうな村と風習、事勿れ主義。和を以て貴しと為す美学と変わって行こうとする意志と。平和とは何か。