浅野公喜

ダークグラスの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ダークグラス(2021年製作の映画)
3.6
「ゼイリブ」を彷彿とさせるジャケが目を惹くダリオ・アルジェント監督久々の作品。試写会に当たり鑑賞してきました。

盲目の人物が主人公ということで「わたしは目撃者」を思い出す今作、アルジェント監督お得意の犯人探し要素や個性的なライティング&凝った殺人は控えめのストーリー的にはかなりストレートな内容。

犯人の動機は確かに傷つくかもしれないがしょうもないと思えるものだったり、警官達が隙だらけで弱過ぎるという点も気になったりしましたが盲目の娼婦と中国人少年という奇妙な組み合わせが印象的であり、少年の顔立ちと髪型故に彼が物陰から覗く姿は図らずも「呪怨」の俊雄風(笑)。また、ちょっとしたカーチェイスやヘビ等は新境地とも言え終盤の緊迫感溢れる動物のシーンに関しては監督のあの作品を観ているのなら今回はそっち?と思ってしまうファンサービス的箇所も有る充実作と言えそうです。

ゴブリンをモダンにしたBGMも好印象。主演のイレニア・パストレッリは日本のアニメでイタリアで大人気の「鋼鉄ジーグ」のインスパイア作品「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」にも出演。監督の娘で少し前にMeToo運動でも話題になったアーシア・アルジェントの姿も。余談ですが犯人らしき部屋にタミヤのポルシェのプラモデル(おそらくSOGO KEIBI PORSCHE 911 GT2)らしき箱が置いてあったのが気になりました。
浅野公喜

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