ねむろう

ダークグラスのねむろうのネタバレレビュー・内容・結末

ダークグラス(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

2023新作_076


今宵も、街が血に染まる。


【簡単なあらすじ】
イタリア・ローマで娼婦ばかりを狙った猟奇的な連続殺人事件が発生。その4人目のターゲットにされたコールガールのディアナもまた殺人鬼に執拗に追いかけられ、ある夜、車を衝突させられ大事故に遭い、一命は取り留めるも両目の視力を失う。同じ事故で両親を亡くした中国人の少年チンとディアナに絆が生まれ、一緒に暮らすこととなるが、サイコパスの殺人鬼はその後もしつこくディアナたちを殺害しようとつけ狙う。



【ここがいいね!】
『サスペリア』で有名な、ダリオ・アルジェント監督の映画恥ずかしながら初めて見る機会となりました。「ジャッロ(ジャーロ)映画」というジャンルは『ラストナイト・イン・ソーホー』(2021)や『マリグナント』(2021)などのレビューを見て、ある程度名前は知っていましたが、今作もそのジャンルの要素は揃っていたように思います。とてもセクシーな女性が何者かに襲われ、長い光沢のある黒い革のコートと手袋、刃物がギロッと光り、血は暗い中でもわかるように真っ赤に飛び散る、というようなものでした。
おそらくジャッロ映画は、美しくセクシーな女性が殺されるかもしれない恐怖に逃げ惑い、もっと言うのであれば殺されるところの美しさをひとつの見どころとして描いていくということだと思います。しかし、今回の作品では、主人公・ディアナは殺されないわけです。そこでイレギュラーな要素として、車に乗りながらある事故を起こしてしまい、視覚を失ってしまうというところがひとつのポイントになっているように思います。彼女からすると、それは死ぬよりも地獄である言えるかもしれません。



【ここがう~ん……(私の勉強不足)】
ホラー映画やサスペンス映画の中に出てくる警察は、往々にして役立たずなところがあるわけですが、今回もご多分に漏れずひどかったです。
まず、一番最初の事件ホテルの前で女性が殺されてしまう場面で、現場から走り去る黒いバンが監視カメラに映ってるかもしれないという話になるわけですが、かなり画質が荒く、結局何が何だか分からないという風に終わります。しかし、黒いバンだと分かっているのなら、別のところにもある監視カメラを見ればいいのではないかと思いました。
また、その黒いバンが白く塗り替えられるわけですが、もちろんあれだけの大きさですからかなりの白い塗料が必要になるだろうというふうに考えると、どうやって調達したのかとも思います。
さらに、作品の中でどれだけ時間が経っているかわかりませんが、犯人は犬のトレーナーなわけです。そう考えると犬のトレーニング場所には、多分その車で行ってるはずです。そうすると、昨日黒い車で来てたあいつがいきなり今日白になってるんだと周りの人は怪しまないのかなとも思いました。



【ざっくり感想】
ディアナと途中から行動を共にするチンは中国系ですが、彼ら家族はどのようにイタリアへ来たのかなども語られていません。しかし、その辺りもジャッロ映画のフォーマットを踏むうえで、描く必要が無かったとも撮れるように感じました。
1時間半の映画で、いい意味で深みもなく、さっくりと見れる映画だったなと思います。
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